黒い盆の上の海鮮丼をほぼ真上から見る。赤い鮪、白身、橙の鮭、尾のついた甘海老が扇に重なり、真ん中にいくらが光る。脇に蓋つきの汁椀、香の物、小さな醤油差し。沼津港の海鮮丼をイメージした生成ビジュアル(実際の現地写真ではありません)

沼津港は、日本一深い湾の入口にある漁港です。海岸からわずか2kmほどで水深500mに達する駿河湾が正面に広がり、市場と津波水門と深海の水族館が、歩いてまわれる範囲に固まっています。はじめての一人旅で、午前から午後にかけて、この一か所だけをまわりました。

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沼津駅からバス約15分。市場を一周してから店を決める

沼津港へは、JR東海道線の沼津駅南口からバスで約15分、「沼津港」で降ります。港に着いて最初に入ったのは沼津みなと新鮮館でした。営業は9時から17時で、閉店時間は店舗によって少し違い、定休は第2・第4火曜(祝祭日は除く)です。

水際のウッドデッキから見下ろす漁港

水際のウッドデッキから見下ろす漁港。コンクリートの岸壁に漁船が舷を寄せて並び、太いロープが鉄の係船柱へ伸びる。ケースと浮きが積み上がり、デッキには紙コップを持つ人が立つ。市場のすぐ外が働く港であることをイメージした生成ビジュアル

館内には駿河湾の鮮魚のほか、地元の野菜、茶、わさび、菓子の店が入っています。一周すると値段の感覚がつかめます。入口のウッドデッキテラスからは漁港が見えて、船が並び、ロープが太い。奥へ行くほど空気が冷たくなって、腕が冷えました。

飲食店も同じ港の一角にまとまっています。先に一周しておくと、どこに何があるか分かってから選べます。海鮮丼の器は持ち上げると両手がいるくらい重く、上に乗っているものが全部違う色をしていました。

厚い陶の丼が縁まで盛り上がっている

厚い陶の丼が縁まで盛り上がっている。赤い鮪、白身、橙の鮭、尾のついた甘海老、いくら、青じそ。どれも濡れて光る。手前から手が一つと袖口だけが入る。器が重く、上に乗るものが全部違う色をしている一杯をイメージした生成ビジュアル

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びゅうおは地上30m。幅40m・重量406tの扉の上に展望回廊が乗っている

港の入口に立つ沼津港大型展望水門「びゅうお」は、地上30mのところに展望施設が併設されています。営業は10時から20時(木曜は14時まで)、入場は大人300円、小中学生150円です。

この水門は、東海地震の津波対策の一環として2004年(平成16年)に完成したものです。扉体は幅40m、高さ9.3m、重量406tで、日本最大級。つまり展望台として建てられたのではなく、港を守る設備の上に、見るための場所が乗っています。

回廊から外を見ると、駿河湾が広がって、手前に港、右手に山が見えます。風が強くて髪がめちゃくちゃになりました。足元にある406tの厚みを思うと、正面の海の話が急に具体的になります。

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駿河湾は最深2,500m。海岸から2kmで水深500mに達する

駿河湾は日本一深い湾で、最も深い地点は水深2,500mです。湾口は約56km、奥行は約60km、面積は約2,300平方km。特徴は深さそのものより、深くなるまでの距離の短さで、海岸からわずか2kmほどで水深500mに達します。

だから沼津港では、漁港と深海が同じ場所に成立します。市場に並ぶ魚と、水族館のガラスの向こうにいる生き物は、同じ湾の上側と下側の話です。

鉄骨のあらわな高い天井の下、白い壁と広い土間に長い台が続く

鉄骨のあらわな高い天井の下、白い壁と広い土間に長い台が続く。砕いた氷の上に魚と貝が並び、盆ごとに銀・赤・橙・白・紺と色が違う。貝の盆に身を乗り出す客、品を並べ直す売り手。同じ湾の上側が並んでいる売場をイメージした生成ビジュアル

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深海水族館は水深200mより下だけ。シーラカンスは冷凍2体とはく製3体

沼津港深海水族館は、一般に深海と呼ばれる水深200mより深い場所の生き物を、駿河湾を中心に常時100種類以上展示しています。開館は10時から18時(入館は閉館30分前まで)、入館料は大人2,200円、小中学生1,200円、4歳以上の幼児600円、65歳以上は200円引きです。

展示室は全体が暗く、水槽だけが光っています。床の位置が見えにくく、足をそろそろと出しながら進みました。目が大きい、体が透ける、ひれが異様に長い。光が届かない場所の体が、そのまま並んでいます。

シーラカンスは、規制前に日本の調査隊が捕獲した冷凍2体と、はく製3体が展示されています。体が思っていたより厚く、鱗の一枚が手のひらくらいあります。

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一か所に固まっているから、はじめてでも組みやすい

沼津港の使いやすさは、市場・水門・水族館が歩いてまわれる範囲に固まっていることです。ひとりでも、先に全体を一周してから店を選べます。

開く時間は施設ごとに違います。新鮮館が9時、水門と水族館は10時。宿を駅の側に取っても、バス約15分でこの一角に入れるので、9時の市場に合わせて出れば、港の中で乗り換えなしに午前から午後までつながります。

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この街の歩き方

JR沼津駅南口→沼津港(バス)約15分・「沼津港」下車
沼津みなと新鮮館9:00〜17:00/第2・第4火曜休
びゅうお 展望回廊地上30m・10:00〜20:00(木曜14:00まで)・大人300円
沼津港深海水族館10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)・大人2,200円
駿河湾最深2,500m・海岸から2kmで水深500m

新鮮館は9時に開き、水門と水族館は10時からです。先に市場を一周して魚の種類と値段を見ておくと、そのあとの水族館で「同じ湾の下側」を見ていることが分かります。地上30mの回廊から海面を見てから、水深200mより下の展示に入る順にすると、駿河湾の上下がひと続きになります。