丸い火口の縁の道を二人が歩く。枯れ色の草が斜面を覆い、下に海と島影が広がる。大室山の山頂から見る相模灘をイメージした生成ビジュアル(実際の現地写真ではありません)
伊東の宇佐美から内陸へ向かうと、道はなだらかな高原に上がります。この高原は、約4000年前の噴火で流れた溶岩が谷と盆地を埋めてできた地形です。海岸線のほうも、同じ噴火で埋め立てられた場所があります。10月の1泊で、2人で使えるのは着いた日の午後と翌日の昼まででした。
大室山は約4000年前の噴火でできたスコリア丘。伊豆東部火山群で最大です
大室山リフトの公式にこう書かれています。大室山は、およそ4000年前の噴火でできたスコリア丘で、伊豆東部火山群の中で最大。粘り気の弱い溶岩のしぶき(スコリア)や火山弾が火口の周囲に降りつもってできた山です。
お椀を伏せたようなかたちは、削られて残ったものではなく、降り積もったものの形だということになります。麓から見上げると稜線に段がなく、上へ向かう線が一本で通っています。

赤黒い穴だらけの石が地面に散らばる。枯れた草のあいだに、こぶし大のかたまりが混じる。噴火でできた軽い石をイメージした生成ビジュアル
溶岩は北東と南の2か所から流れ出し、谷を埋めて伊豆高原をつくりました
公式の説明では、噴火のさなかに北東側と南側のふもとの2か所から大量の溶岩が流れ出し、これらの溶岩流が谷間や盆地を埋め、噴火前はでこぼこだったはずの山地をなだらかな高原に変えました。これが伊豆高原の誕生だとされています。
南東に向かった溶岩流はもっとも量が多く、4kmほどの範囲で海を埋め立て、城ヶ崎海岸がつくられました。伊豆半島は2018年にユネスコ世界ジオパークに認定され、大室山はその中のジオサイトに選定されています。この山は景色の一部ではなく、伊東の高原と海岸線をつくった側にあたります。

砂浜の先に松の生えた岬が突き出す。波打ち際を人と犬が歩き、空が高い。溶岩が埋めてできた海岸線をイメージした生成ビジュアル
標高580m、上りはリフト。10月から2月は9時から16時、下り最終は16時15分
標高は580mで、山頂へはリフトで上がります。運行は3月から9月が9時から17時(下り最終17時15分)、10月から2月が9時から16時(下り最終16時15分)。往復運賃は中学生以上が1,000円、小学生が500円で、20名以上の団体は900円と400円、未就学児は無料です。
乗車券は往復のみで、当日ひとり1回限り有効。片道はありません。定休日は不定休で、荒天時の運休のほか、6月と12月に長期の整備休業があります。年中動いてはいないので、日程は運行のほうに合わせます。駐車場は自家用車500台とバス10台です。

木が一本も生えていない草の斜面を、リフトがまっすぐ上がっていく。横手に海が平らに広がる。草だけに覆われた丘をイメージした生成ビジュアル
山頂は約1kmのお鉢めぐり。火口に浅間神社、相模灘と伊豆七島が見えます
山頂では噴火口の縁を回れます。伊東観光協会の案内では、およそ1kmの噴火口を散策するお鉢めぐりで、富士山、伊豆七島、相模灘の眺望が楽しめるとあります。火口には大室山浅間神社があり、アーチェリー施設も使えます。
縁を歩くと、内側は草の斜面が火口の底へ落ち、外側は高原と海です。1kmという距離は、歩くというより一周して方角を確かめる長さでした。風は縁の上でだけ強く、帽子を押さえる手の位置が変わります。
山の形は毎年2月の山焼きで保たれている。山全体が国指定の天然記念物です
公式には、毎年行われてきた「山焼き」によってお椀を伏せたような美しい山の形が保たれており、山全体が国指定の天然記念物となっていると書かれています。山焼きは毎年2月の第2日曜日に行われる、山全体を燃やす伝統行事です。
木が生えていないのは放っておいた結果ではなく、毎年焼いている結果です。斜面の草は短く、地面の起伏がそのまま見えます。10月の草は色が抜けかけていて、日が斜めになると、傾きの向きが影の長さで分かりました。
宇佐美海水浴場は宇佐美駅から徒歩約15分。10月の駐車場は60台です
海側に戻ります。宇佐美海水浴場は静岡県伊東市宇佐美にあり、JR伊東線「宇佐美」駅から徒歩約15分。伊東観光協会の案内では、波が穏やかで磯遊びもできるので小さなお子様連れにおすすめだとあります。宇佐美留田浜辺公園が隣接しています。
駐車場は海水浴シーズンが210台、オフシーズンは60台で、10月は60台のほうです。海の家はありません。浜を歩いている人は数人で、波の音が低く、次が来るまでに間があります。4kmの溶岩が埋めた城ヶ崎の岩と、こちらの穏やかな砂の浜が、同じ市内にあります。
この街の歩き方
| 宇佐美駅 → 宇佐美海水浴場 | 徒歩約15分 |
|---|---|
| 伊東駅 → 大室山 | 約30分 |
| 伊豆高原駅 → 大室山 | 約12分 |
| 大室山リフト(10月〜2月) | 9:00〜16:00・下り最終16:15 |
| リフト往復運賃 | 中学生以上1,000円/小学生500円(20名以上900円/400円) |
| 大室山の駐車場 | 自家用車500台・バス10台 |
リフトは10月から2月は16時で上りが終わり、下りの最終が16時15分なので、先に山を済ませて海岸を後に回します。山頂で溶岩が流れ出した北東と南の方向を確かめてから浜に下りると、埋め立てられた側と穏やかな側の違いが同じ日のうちに見られます。6月と12月は長期の整備休業があるため、その2か月は日程から外します。
