夜の商店街の袖看板を灯の入った看板と消えた看板が高さ違いに張り出し、背後は塗り壁と打ち放しの二階建て。上をコンクリートの電柱と架線が横切る。相模原・上溝の商店街の夜をイメージした生成ビジュアル(実際の現地写真ではありません)
駅前商店街の形をしているが成り立ちは逆——明治3年の市場に、60年あとから駅が来た。約500メートルの一本道を夜と朝に2度歩いて、上溝という街の芯がどこにあるかをたどる。
上溝には、駅の西口から約500メートル、まっすぐ続く通りが一本あります。てるて通り。この通りの元になったのは、明治3年に開かれた市場です。駅ができたのは、その60年あとでした。
相模原へ出張でひとり、打合せは夜まででした。翌朝は朝6時から動けます。宿は相模原駅前ではなく上溝にとりました。
駅の西口から約500メートル。通りが先にあって、駅があとから来た
てるて通りは、JR相模線・上溝駅の西口から上溝本町の交差点まで約500メートル。上溝商店街はこの一本ではなく、県道508号線沿いの「まつり通り」、上溝交差点から鳩川までの「オレンジロード」と合わせて3本で構成されています。てるて通りはその中心です。
商店街の元になったのは、明治3年(1870年)12月に開設された「上溝市場」です。店が集まって通りができたのではありません。市場があった場所に、あとから駅が来ました。上溝駅の開業は昭和6年(1931年)4月29日で、市場より60年おそい。
だから、駅前商店街の形をしていても向きが逆です。街の芯は駅ではなく、市場があった通りのほうにあります。
組合の事業所は96。夜は看板を見て、朝は建物を見る
その通りに、どれだけの店が入っているのか。上溝商店街振興組合の事業所は96(2022年現在)。約500メートルに96ですから、歩いていて店の切れ目がほとんどありません。

夜の、細くまっすぐな商店街。低い二階三階建ての店先が切れ目なく両側に詰まり、灯の入った袖看板が歩道の上へ張り出す。電柱と架線が脇に続く。店の切れ目がほとんどない一本道をイメージした生成ビジュアル
夜にこの通りを歩くと、目に入るのは明かりのついた看板だけです。朝に同じ通りを歩くと、シャッターが下りているので、こんどは建物そのものの形が見えます。同じ500メートルを2回歩くと、どこに何があるかが頭に入ります。
通りは上溝本町の交差点で終わります。そこから先は商店街の別の通りに名前が替わるので、歩く区切りとして使えます。

同じ通りの朝。どの店もシャッターを下ろし、看板に灯が入っていないので建物の形が見える。シャッターが下りていると建物の形が見える通りをイメージした生成ビジュアル
7月下旬、この500メートルに神輿19基と山車8基が入る
上溝夏祭りは、江戸時代末期から200年以上続くと伝えられる祭りです。会場は上溝商店街の全域。上溝十六地区には大人神輿11基、子供神輿8基、山車8基があり、これが2日間で渡御・巡行します。来場者は2日間でおよそ350000人。神奈川県北で最大規模の夏祭りで、「かながわまつり50選」に選ばれています。
もとは天王祭りで、戦争で一時中断しました。昭和21年に上溝商店街へ神輿と山車を集める形で、いまの「上溝夏祭り」として再開されています。最古の神輿には、文化6年(1809年)の制作記録が残っています。
日程はもともと曜日に関係なく7月27日と28日でしたが、いまはその日程に近い土日です。2026年は7月25日と26日です。

担ぎ上げられた神輿を近くから見る。漆の屋根に金の金具、小さな鳥の飾り、太い担ぎ棒、揺れる房。商店街に神輿が集まる祭りをイメージした生成ビジュアル
徒歩15分の亀ヶ池八幡宮。社名の亀は、社殿の東崖下の池にいた
朝は通りを北へ抜けます。亀ヶ池八幡宮は上溝駅から徒歩15分。住所は相模原市中央区上溝1678です。
社名がそのまま土地の説明になっています。往時より社殿の東崖下に池があり、そこに多数の亀が棲んでいたので、人々が亀ケ池八幡と呼ぶようになり、明治2年に正式な社名になりました。創建はおよそ元弘元年(1331年)と伝えられます。境内には神池があります。
駐車場は常時150台で無料です。東、神楽殿脇、南、鳥居前の4か所に分かれています。車で行くなら台数の心配は要りません。歩くなら、駅から15分を朝のうちに往復しておくと、日中の予定に食い込みません。
上溝駅で乗る向きを決める。下りが橋本、上りが海老名・茅ケ崎
上溝駅は相模線の駅で、下りが橋本方面、上りが海老名・茅ケ崎方面です。訪問先が橋本側か海老名側かで乗る向きが変わります。朝のうちにどちらかを決めておけば、駅で時刻表を見る時間が要りません。
上溝に宿をとると、駅と宿のあいだにこの約500メートルの通りが重なります。夜に店を探して遠回りしなくて済むのは、通りが先にあって駅があとから来た、この配置のおかげです。
この街の歩き方
| 上溝駅西口 → 上溝本町交差点(てるて通り) | 約500メートル |
|---|---|
| 上溝駅 → 亀ヶ池八幡宮 | 徒歩15分 |
| 亀ヶ池八幡宮 往復 | 徒歩約30分 |
| 上溝駅から乗る向き | 下り橋本方面/上り海老名・茅ケ崎方面 |
| 上溝夏祭り | 7月下旬の土日2日間 |
| 亀ヶ池八幡宮の駐車場 | 常時150台・無料 |
