銀の大皿に、赤や黄の色の違うカレーが小さな器で並ぶ。黄色いご飯、焼きたての大きなパン、漬物とヨーグルト。湯気が立っている。二階に上がった先の南アジアの食卓をイメージした生成ビジュアル(実際の現地写真ではありません)

江戸川区に住む外国籍の人は五万四千三百十四人。そのうちインド国籍が八千四百九十三人で、中国に次いで二番目です。西葛西駅の駅圏だけを取り出すと、外国籍一万三百二十四人のうちインドが四千五百九十六人で、ここでは最多です(いずれも江戸川区、二〇二六年四月三十日時点)。区の説明では、二〇〇〇年問題に対応するために来日したシステムエンジニアが、この街にコミュニティができるきっかけでした。ひとりです。宿を出て西葛西駅の高架下から、この街の台所がどこにあるのかを見にいきます。

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高架下に四十軒。インド料理の店は一軒も入っていない

メトロセンター西葛西は、東京メトロ東西線西葛西駅の高架下にある商店街です。1番街東、1番街西、2番街、3番街に分かれ、運営会社の公式サイトに載っている店は四十軒(二〇二六年九月確認)。

業種は、寿司、焼肉、ラーメン、天丼、立ち飲み、焼鳥、理容室、美容室、鍼灸整骨院、百円ショップ、花屋、コンビニ。インド料理の店は一軒も入っていません。

通路は線路に沿ってまっすぐ伸び、柱と柱のあいだがそのまま一軒の間口になっています。高架の構造が区画です。上を電車が通ると、音が通路の中で横に伸びていきます。

この街のインドを探すなら、高架を離れて建物を見上げることになります。

高架の下に続く商店街

高架の下に続く商店街。野菜を見る年配の人、サリー姿の親子、箱を抱えて運ぶ店の人が同じ歩道にいて、柱沿いに自転車が並ぶ。高架下の商店街をイメージした生成ビジュアル

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駅の南口から徒歩五分、二階の二十二席。ドーサは皿からはみ出す

スパイスマジック カルカッタ 南口店は、西葛西六丁目二十四番五号、第2コースタルビルの二階です。店の公式サイトでは西葛西駅から徒歩五分、席は全二十二席。営業は十一時から十五時と、十七時から二十二時。月曜が定休です(二〇二六年九月確認)。

ドーサを頼みました。米の粉を薄く焼いたものです。

皿からはみ出しています。薄い。持ち上げると、光が透けます。手で割ると、パリッと音がしました。割れた断面から、湯気が細く上がります。

台湾にも米の粉で作る薄い皮があります。こちらのほうがずっと薄く、焼き色が強い。同じ材料でも、火の入れ方でここまで変わります。

席は二十二しかありません。十一時の口開けに入るのが確実です。

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駅から八分と十分。インドの食材店は二軒あって、どちらも二階

インド食材のアンビカは、この駅から歩ける範囲に二軒あります。西葛西サニーモール店は西葛西四丁目二番二十八号、サニーモール西葛西の二階で、駅から徒歩八分。西葛西店は清新町一丁目三番六号、パトリア葛西の二階で、駅から徒歩十分。どちらも十時から二十時、年末年始を除いて年中無休です(二〇二六年九月確認)。

ドーサの店も二階でした。三軒とも路面ではなく、階段を上がった先にあります。

清新町へ向かう十分は、駅前の商店街を出て住宅地へ入る十分です。西葛西店の住所は清新町で、公式表記では「葛西クリーンタウン内」。駅前で横に並んでいた店が、住宅地では施設の二階にまとまります。

天井近くまで豆や米の袋が並ぶ棚の通路

天井近くまで豆や米の袋が並ぶ棚の通路。しゃがんで下の段を見る人、袋を手に取って眺める人、カートを押す人がいる。輸入食材店の棚をイメージした生成ビジュアル

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豆は三十二種類。同じ豆に「丸のまま」と「半割り」がある

アンビカの公式オンラインショップでは、豆のカテゴリーに三十二種類が並びます。ムングダルひとつで、グリーンの丸のまま、グリーンの半割り皮付き、イエローの半割り皮なしに分かれます。

棚の前で袋を持ちました。同じ大きさの袋でも、豆によって重さが違います。丸のままと半割りでは、袋の中での動き方も変わります。

米は、五キロ袋のカテゴリーだけで十商品。ポンニライス、イドゥリ ライス、バスマティが何種類も並びます。日本の米売り場では見ない名前で、単位も一回分ではありません。料理をする人に向けた分量です。

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西葛西八丁目の円形花壇に、高さ一メートル八十のガンジー像(いまは工事中)

新田6号公園(西葛西八丁目)の円形花壇には、インド政府から寄贈されたマハトマ・ガンジーの胸像があります。銅製で高さ一メートル八十センチ、幅六十センチ。インド人彫刻家が制作し、二〇二四年七月二十八日に除幕式が行われました。申し出は二〇二三年八月、国内最大のインドコミュニティがある区への友好と親善の象徴として、というのが区の説明です。

ただし、この場所は区の公園台帳の名前では「自由広場」(西葛西八丁目6番)で、いまリニューアル工事に入っています。完了予定は二〇二七年二月上旬です。

長くこの公園で開かれてきたディワリフェスタ西葛西も、二〇二六年は十一月七日の土曜、十時から十六時三十分、滝野公園(中葛西三丁目二十二番一号)での開催です。区のページには「昨年から開催場所が変わりました」と書かれています。秋に合わせて来るなら、行き先は中葛西です。

ステンレスの皿からはみ出すほど大きく薄く焼いた生地を、両手で割く

ステンレスの皿からはみ出すほど大きく薄く焼いた生地を、両手で割く。割れ目から湯気が立ち、小さな器にたれが添えられている。南インドの軽食をイメージした生成ビジュアル

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二つの台所が、別の階に入っている

高架下の四十軒と、二階の三軒。どちらも西葛西駅から徒歩十分の中にあります。看板が横に並ぶ高架下の通路と、階段を上がった先の食堂と食材店が、同じ駅の一日を分け持っています。

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この街の歩き方

食材店は十時から、南口の店は十一時から開きます。先に豆と米の棚を見てから口開けに合わせると、二十二席の店で時間を選べます。月曜は南口店が休みです。

西葛西駅 → メトロセンター西葛西(四十軒)駅の高架下
西葛西駅 → アンビカ 西葛西サニーモール店徒歩八分(十時〜二十時・無休)
西葛西駅 → アンビカ 西葛西店(清新町・パトリア葛西二階)徒歩十分(十時〜二十時・無休)
西葛西駅 → カルカッタ 南口店徒歩五分(二十二席・月曜休・十一時〜十五時/十七時〜二十二時)
新田6号公園(ガンジー胸像)二〇二七年二月上旬まで工事中
ディワリフェスタ西葛西十一月七日(土)十時〜十六時三十分・滝野公園